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ロンチサイトより愛をこめて・・・
*初めてのエリアなので・・・
タスクシートを見てびっくり!
これってホントに角田競技委員長の設定なの?FINのシングルタスクなんて、強風時の午後のタスク以外ではあまりお目にかからないので目を疑いました。いつもなら色とりどりものマーカーを4・5個は持たせるのにどうしたことか。自慢の風見マシーン、ウィンドリーダーの調子があまりよくなかったという理由とコンペディターが最も恐れていた嫌な風向(宇都宮市街地に向かって吹く風)だったことが原因らしいですが、「第1回宇都宮バルーンフェスティバル」の記念すべき初タスクは、上品にFINひとつで戦うことになりました。
道場宿ロンチサイト上空 ロンチで補足のブリーフィングが終わり風上の離陸地に向かう参加チームの皆さん。「宇都宮で初めて!今日ここからたくさんの気球が離陸する!」ワクワクしている観客の皆さんは、どん曇りの空を見上げ何がなんだか分からない状態です。ここで、私の出番!今朝は風向が悪くこの会場からの離陸はできないことや、熱気球の競技についてのレクチャーアナウンスをしなくちゃ。
それでは、ロンチサイトから見た宇都宮バルーンフェスティバルのレポートを!!
第1回という響きはやっぱりいいですよね。参加パイロット達の大会アンケートの回答も「はじめてのエリアなので楽しみです」などの意気込みがうかがえました。
北関東最大の都市、宇都宮での始めての熱気球大会は、「栃木熱気球世界選手権」のプロローグイベントとして開催。また、例年ジャパンホンダグランプリのファイナルが茂木で開催されていますが、今年は世界選手権となるために4戦がここ宇都宮、ファイナルが佐賀になりました。
観客サービスにASIMO号とBNS-1(Big Balloon)のオフィシャルバルーンが離陸!下の風は確か宇都宮に向かっていたけど、上空には戻す風が生まれていました。 はじめてのエリアなので、慎重に・・・。
*さすが日本代表選手!
最初に姿を現したのは、HONDAくじらんでした。さすが水上選手、比較的近いところ(4km位北東)から離陸して、ささっとオンターゲット!記録は1.49m。続いてウインドエンジェルTOTOの遠藤選手も3.43mのオンターゲット!遠藤さんは「もっとできたじゃん!」と言わんばかりに、そのまま高度を上げて東に戻しフリーフライトを。もうひとりの世界選手権日本代表選手、青空戦隊ハードランダーのハードクロス(キャラクターまで作ったところがあっぱれ!)の増本選手そして、柳本選手、高島選手、遠山選手は北隣のソフトボール場にわずかにはずし、微妙な風の様子を観客に教えてくれました。その後と~っても高い所から、しかも下の風を読んでかなり手前でマーカーをリリースした上田選手が18.21mの好成績。さすがベテラン、渋いところを見せてくれました。
はじめての大会にしては、イベントが盛りだくさん。さすが45万人都市。地元の幼稚園の演技や、元気いっぱいのよさこいチーム、アマチュアバンド、マーチングとステージは花盛りでした。
一方、バルーン不在の昼間もスカイイベントは忘れません。下野凧、モーターパラグライダー、がデモフライトを見せてくれました。圧巻はスカイダイビング!まず、ロンチにヘリが着陸、5人のスカイダイバーを紹介後離陸!飛び出すところが見えるようにとこの日は5000ft.からダイビング!次々ロンチに降りてくるスカイダイバーに大きな拍手がわきあがっていました。藤岡スカイダイブの5レンジャーありがとう!!
バルーンイリュージョン さて、午後も風向きは変わらず、上品にFINのシングルタスク。朝と違うのは風が早かったことかなぁ。No Flight組もありました。そんな中いいところを見せたのは、師匠の遠藤護氏に追いつけ追い越せと、このところ頑張りフライトで好成績をあげているウインドエンジェルTOKYOの武村選手。早い風に乗りローパスでアプローチをかけてきて、21.97mにバスっとカッコよくマーカーを落としていきました。印象的だったのは、この日と翌日の回収後に武村くんがロンチ会場に来て記録を聞いて来たこと。マナーを守りロンチ内には入らずに・・・。記録が気になる昇り調子のパイロットです。また、朝は振るわなかった藤田選手も余裕で手を振りながらマーカーIN。初日を終えて、トップに立ったのは、テイケイの上田選手でした。
花火とのコラボレーションで盛り上がった夜間係留「バルーンイリュージョン」風がちょっと強かったけれど、頑張って参加してくれたチームの皆さん!いつもありがとうございます。一回目にして元気よく5カウントダウン「Burners ON!!」と一緒にシャウトするお客様がいて嬉しかった!!
*世界選手権のプロローグイベントとして
2日目にして最終日の22日。風向きはあいかわらず。タスクはFINとMNDD実況アナウンス冥利に尽きる、バカチョンレース(失礼)でした。というのは、参加気球すべてを実況できたからです。こんなことは滅多にありません。みんな頑張ってロンチ上空を通過!楽しい楽しいタスクでした。最初にロンチ上空に現れたのは、赤にクロスのスーパーホーネット。いきなりFIN14m、MNDDも20.36m。その後、次々とロンチにアプローチをかける色とりどりのバルーン達。さすが、グランプリパイロット!FINは参加気球中ほとんどがロンチ内にマーカー投下して会場をわかせました。
次々にロンチにやって来るバルーン ほぼ、同時に上空に来た藤田、水上の両氏。いつものように愛妻さと子さんをコパイにした藤田さんはロンチ前に微妙に調整をしてバッチリオンターゲットを決めます。もちろんミニマムも慎重に決めて満面の笑顔。一方ソロフライトの水上さんは素直に風に乗りマーカーIN。MNDDは藤田さんと0.69m差の17.14mで2位の成績でした。狙いすぎて、Wドロップのマーカーがわずかにアウトした遠藤選手。「あ~~~!!」という悲痛な叫びが会場に響きました。後日彼から「とにかくフライトは調子いいので、投げ方を練習しておきます」とのメールがきました。結局MNDDは半分がマーカーイン。
プロレスの技のようだけど、初心者にも分かりやすい競技でしたとの感想を宇都宮のスタッフがもらしていました。皆んな上手でありがとう!!さて、FINのトップは最後の最後にすぅ~っとアプローチをかけてきて0.77mの見事なオンターゲットを見せたHappy Heartsの成瀬選手。いい加減声が嗄れたところでの『ON!Target!!』は思いっきりハスキーボイスでごめんなさい。オレンジのマーカーを投げそこねてミニマムDDはNoResult。あらためてパイロットって操縦のみならず、さまざまな技量が問われるんだなぁと実感!もう何年もロンチサイトで離陸を見送り、ゴールを実況しているとそれぞれの個性や調子も何気に分かるような気がするballoon mama なのでした。
やーぁ!マーカー投下! 「あ~!!」という遠藤さんの悲痛の声が・・・
*祭りのあと・・・
笑顔の1.2.3位 第1回の宇都宮バルーンフェスティバルの優勝は水上孝雄さん。2位は藤田さん。4位に増本さん。11月23日「2006 栃木熱気球世界選手権」は宇都宮DAY。この会場がりロンチとなるので日本代表選手達はバッチリといったところでしょう。3位はツインバーズの遠山くん!並み居るベテランパイロットの中でニンマリの成績でした。久しぶりにグランプリ参加の馬場智子Ptは愛息2人を連れての参加で5位の好成績。表彰台にのるのははじめてと喜んでいました。
参加者の皆さんはあまり見ることが少ないと思いますが、表彰式が終わるとすぐに会場は片付けに入ります。いつもはただの河川敷や運動場が熱気球大会開催中、期間限定で「夢空間」になります。たくさんの笑顔や歓声であふれた会場は元の静かな場所にもどされていく時「終わった~」という充実感とほんの少しの淋しさを感じるのは私だけでしょうか。また、次の大会でね・・・!
*宇都宮と言えば・・・
ウェルカムパーティーのチーム紹介で宇都宮といえば何を連想しますか?という問いかけになんと9割のチームが「餃子!!」と答えました。会場にも美味しい餃子屋さんが出ていて、ホント~に美味しかった!でも、餃子やカクテルばかりでなく、いつか佐賀のようにバルーンの街と言われるようになりたいと地元の組織委員のスタッフは口を揃えて言っていました。そうなった時に第1回にしては、まとまった大会だった今年のことを思いだしながら、みんなで美味しい餃子を食べましょう。
この大会に関わってくださった方すべてに感謝をこめて・・・。
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